春日奥山道(滝坂の道) 春日大社の背後、鬱蒼とした原始林に覆われた春日山は、古くから聖なる山として信仰されてきました。その春日山麓破石から円成寺へと続く道は早くから僧の修行場として開かれたようで、山中にはおびただしい石仏や行場と思われる遺構も点在しています。江戸時代には、柳生と奈良の市街地を結ぶ道として整備され、奈良市街地側では石畳が敷かれた道となっています。今日は東海自然歩道の一部として整備され、シーズンには多くのハイカーが訪れています。
主な石仏としては、奈良市街地側から順に夕照の時間にもっとも美しく映える夕日観音、滝坂地蔵、鎌倉・文永2年(1265)の造像銘の記された朝日観音などがあります。
円成寺側、破石側どちらのルートも比較的緩やかな起伏の道が続き、初心者でも充分楽しめる自然歩道です。所要時間は3時間程度。途中休憩をみて、余裕をもって時間を設定して下さい。破石側から円成寺へ向かう場合、円成寺からのバス便が少ないので、事前にバスの時刻を確認することを忘れずに。